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当サイト『そうとめ』をご覧になっていただいている方の中には「小説家になろう」などのweb小説サイトに小説を投稿されている方も多いと思います。
さて小説家になろうではある主人公のタイプが存在します。
それが今回ご紹介する「なろう系主人公」です。
小説を書いていらっしゃる方は必見です!
なろう系主人公あるあるや特徴について
なろう系主人公という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
最近では小説家になろうに投稿された小説からコミカライズされたりアニメ化される作品もかなり多く、なろうに関する話題は尽きることがありませんね。
ですので意味をなんとなく知っている方もいらっしゃるでしょう。
ではなろう系主人公は小説家になろうに投稿された作品の主人公を指す言葉でしょうか?
それは違います。
小説家になろうに投稿された作品の主人公だからと言ってなろう系主人公と呼ばれることはありません。
そう呼ばれるのにはいくつかの条件があるのです。
それではどのような条件でなろう系主人公と呼ばれるのかを見ていきましょうか。
落ち着いていて周囲とは違うアピール
例えばよくありがちなのが、異世界転生をした先で他のキャラ達が盛り上がっている最中に主人公が心の中で「こいつらはバカだ。状況を理解できていない」と物凄く斜に構えて冷めたことをつぶやくんです。
中には実際に口に出している主人公も見かけるわけですが、異世界に転生した瞬間急にそういうことを言うものですから驚きます。
クールキャラを作りたいと作者が想定しているのは伝わりますが、クールというより周囲を小馬鹿にして「わかっている自分」と比較することで悦に入っているよう見えてしまいます。
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常に上から目線
なろう系主人公は何故か目上の人や初対面の人と話す際に敬語を使いません。
確かに敬語がしっくりこないキャラに敬語を使わせるのは良くないでしょう。
しかしなろう小説で主人公に選ばれるキャラはそのようなクセがあるわけではない場合が多いのです。
もっと言えば敬語を使えない主人公というより、敬意をはらうということができていない主人公がなろう系主人公と呼ばれている傾向にあると思います。
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借りものの力
特に異世界転生物で顕著なのが「他人から授かった力で威張り、そして崇められる」という主人公が多い点です。
この他人というのは多くの場合は神様です。
自分で努力してつかみ取った力であるのであれば胸を張り、周囲から尊敬を寄せられるのは自然なことでしょう。
しかしなんの努力もせずに手に入れた力を振りかざして他者を見下し、救世主として皆に崇められるのは経緯を知っている読者からすればカッコいいと思えないかもしれません。
唐突に好意を寄せるヒロイン達
なろう系主人公と呼ばれるのは本人だけの影響ではありません。
ヒロイン達が主人公に好意を寄せる過程でも、なろう系主人公と認定される要因があります。
なろう作品は競合作品の多さという特性上、早い段階でヒロインを主人公に惚れさせて読者の興味をひいて早期離脱を防ぐ対策をしている作者をよく見かけます。
しかしキャラクターの素性もよくわからない初期段階で主人公に好意を寄せると、主人公の魅力もそうですがヒロインの魅力を全然感じなくなる原因になります。
よく言われがちなのが「なろう作品は主人公の描写しかなく、他のキャラクターの魅力が感じづらい」というものであり、これはヒロインですら該当することなのです。
キャラクターの描写が薄いヒロインは「主人公のことが好き」「主人公の行動に全肯定する」という特徴しか持たないようなものであるために、さながら主人公のアクセサリーやロボットのような無機質な印象になりやすいのです。
主人公以外のキャラが無能すぎる
先ほど申し上げたように、他のキャラの描写が極端に薄いことがなろう系主人公と呼ばれる一因となっているわけですが、描写が薄いだけでなくことごとく無能であることも言えるでしょう。
主人公の有能さをアピールしたいがために周囲のキャラの知能を下げてしまっているんですね。
凡人の作者が天才キャラを書こうとするのは不可能に限りなく近いのです。
天才主人公(実際は凡人)が優秀や凡人であるとされる他のキャラ(実際は無能)に何かあるとすぐに持ち上げられるような構図ができあがるわけですが、これは何とも珍妙な光景です。
読んでいるうちに「この人たちは何をやってるんだろ?」という気持ちになるでしょう。
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じゃあなろう系主人公はダメなのか?
ここまでご覧になった方は「なろう系主人公でなろう書くのはやめた方がいいのか」と思われたでしょう。
しかしそうとは限りません。
夢と欲望を体現する
ここで先ほど挙げたなろう系主人公の特徴をくっつけてみたいと思います。
「異世界に転生。同じく転生してきたクラスメイトは何もわかってないが自分はよくわかっている。そして神から力を授かり向かうところ敵無し。周囲に崇められ、可愛いヒロイン(かっこいいイケメン)達に好意を寄せられる。血のにじむような努力をすることもなく、自分が一番かしこいため何をしても成功し何をしても認められる。そんな世界」
さてどうでしょうか。
「退屈そうでつまらない」と感じたでしょうか。
それとも「そんなことできるなら代わって欲しい」と感じたでしょうか。
なろう系主人公が流行しているのは、後者のようにこのような展開を欲している読者が非常に多いという理由が大きいでしょう。
誰よりも優れていたい、皆から愛されたい、不確かな努力などせずに確かな結果が欲しい。
どれもこれも夢であり欲望です。
それらを満たすことのできる場がなろう系主人公の活躍する創作なんです。
加えてお気楽で設定に穴がありがちな展開が多いのも、現実世界に疲れている中で現実を忘れられる創作にリアリティなど求めていないからです。
なろう系主人公に自己投影できる人か否かでも好き嫌いが分かれることでしょう。
「気持ち悪い」「酷い」としてなろう系主人公を嫌う読者がいる一方で、現実では決して叶えられない夢や欲望の代行者としてなろう系主人公を好む読者もいるのです。
大手サイトやSNSではなろう系主人公批判がよく見らる一方で、なろう系主人公を題材とした書籍の売り上げは良い場合も多いので、賛否の偏りがあるように感じて実際は同数ということも考えられます。
どちらの読者層をターゲットにしたいのか。どちらの創作を自分がしたいのか。
それを踏まえてなろう系主人公を採用するかどうかを決めてください。
さいごに
今回は「なろう系主人公」についてお話してきました。
なろう系主人公を採用する際は徹底してなろう系主人公感を出していった方が良いです。
変に奇をてらうと読者からご立腹コメントがつくそうです。
なろう系主人公を実際に書くことは一枚岩ではありません。
「誰でも書ける文章」と思っていざ筆を執るとその書けなさにびっくりするはずです。
それではまた次回お会いしましょう。
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ちょっとしたネタが貴方の大きな創作に繋がりますように。
コメント
話の都合というか主人公補正で周りを弱体化させて勝つ舞台装置がなろう系主人公なんだろうな
そういう作品しか知らないんですねって感じ
まとめに書いてある通りだと思います。
私は、なろう系はあまり好きではないです。
しかし、その中で面白い作品は少なからず存在していると思いますし、そういう作品に限って埋もれてしまっているのが現実だと思います。
読み手も書き手も、現実をしっかりと逃げることなく努力し生きてって、その苦難から戦うサクセスストーリーを私たちは読みたいです。
人間ドラマのある作品が売れるような時代が再びくることを私は願っています。