こんにちは。『そうとめ』管理人のるいつです。(@Soutome_ruitsu)
ストーリーを考える時には最初の段階で着地点、すなわちエンディングをあらかじめ想定しておく人は多いですよね。
そうすれば物語の軸がブレずにストーリーを進行することができますからね。
エンディングを一つに決めずに「ルート分岐」といったカタチで複数エンディングを用意している方もいるでしょう。
「終わり良ければ総て良し」ではありませんが、エンディングの良し悪し次第で物語全体の評価が決まってくるぐらい重要なものなんですね。
今回はそのエンディングの一つである「メリバ」についてお話したいと思います。
単なるハッピーエンド、バッドエンドとは異なるエンディングをつくってみたい方は必見です!
メリバとはバッドエンドの種類?メリーバッドエンドを例で考えよう
「メリバ」とは「メリーバッドエンド」の略語です。
パッと見はバッドエンドという字面が強調されていて、悪い印象を受けるのではないでしょうか?
しかしバッドエンドの前には「メリー」という言葉があります。
そうです、この「メリー」とはクリスマスで発する「メリークリスマス」に用いられるときと同じ意味があるのです。
すなわち「メリー」は「愉快な」「陽気な」という意味があるのです。
これはどちらかといえば「ハッピーエンド」に近い言葉ですよね。
「ハッピーエンド」と「バッドエンド」が組み合わさった「メリーバッドエンド」という言葉……
その意味とは「受け手(読者)や観点によって捉え方の異なるエンディング」です。
「ハッピーエンド」「バッドエンド」どちらかではなく、どちらもなんですね。
メリバを例を用いて考える
受け手によって変わるエンディング……今いち頭に入ってこない方もいらっしゃるでしょうから、例を挙げて解説していきますね。
「ヒロインのために世界中を敵に回した主人公」
ヒロインが人類から迫害されている存在で、味方をすれば世界を敵に回してしまうのにも関わらず、主人公がヒロインを選んだ場合を想定してください。
そして結果的に世界を滅ぼしてヒロインと添い遂げることができたとしましょう。
さて、このエンディングはハッピーエンドであり、バッドエンドでもあるのがお分かりいただけるでしょうか。
主人公とヒロインからしてみれば結ばれたのですからハッピーエンドでしょう。
しかしそのために犠牲になった彼ら以外の人類からしてみれば、まごうことなくバッドエンド。
このようなエンディングが「メリバ」なんですよね。
それからもう一例。
「メリバ」はよく「ヤンデレ」と関連させて用いられることが多いです。
理由としてヤンデレキャラは偏愛を抱いており、その歪んだ思考が招いてしまった当人以外との幸せの価値観のズレを描けるからだと考えています。
ヤンデレヒロインが主人公を束縛して、彼の周囲の人間をすべて排除してしまった。
このような結末を描くことになってもハッピーエンドでありバッドエンドなんですね。
ヒロインから見ればハッピーエンドでしょうし、主人公からすればバッドエンドです。
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メリバには読者の解釈も深くかかわる
さて例を交えてメリバを解説したわけですが、どう感じましたか?
なんとなく後味が悪く感じた人、儚さのようなものを感じた人、やるせなさを感じた人。
確かにすっきりとしたエンディングではないでしょう。
しかし色々考えさせられるエンディングであることは確かです。
読者に想像させる機会を与えるというのは創作する上で大事なことですからね。
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メリバは読者の捉え方からも解釈が異なる
最後に、メリバのハッピーエンドかバッドエンドかの判断はキャラクター間以外に読者自身も含まれるということを知っておいてください。
キャラクターが全員ハッピーエンドないしバッドエンドだと捉えていたとしても、読者がその逆だと受け取ってしまうことがあるのです。
例えば戦う運命にある孤独な主人公が最後まで戦い抜いてその後に力尽きて死亡したとします。
主人公は役目を成し遂げたと満足に死んでいき、彼を知らない他のキャラクターも「平和になった」と歓喜して万々歳のエンディングを迎えたとしましょう。
みんながみんな「ハッピーエンド」と謳う幕引きです。
しかしどうでしょう?あなたはハッピーエンドに感じたでしょうか。
バッドエンドに感じた人……いるんじゃないですか?
主人公は戦う運命に縛られ続けたままその命を費やしたのです。
そして周囲の人々は見ず知らずの彼が救った彼のいない世界を称賛した。
運命を打ち破ることもできず、命が消えたことを知られることもなかった主人公は本人からすればハッピーエンドであっても、読者の目からすればバッドエンドにうつるかもしれません。
このように登場人物の見解が読者の見解と異なるようなメリバの作り方もあることを知ってもらえると、創作の幅が広がるかと思われます。
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まとめ
今回は「メリバ」についてお話してきました。
モヤモヤした感じが好きじゃないというタイプの人には厳しいですかね。
逆にその感じが好きな人もいるので人気があるんですよね。
それではまた次回お会いしましょう。
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ちょっとしたネタが貴方の大きな創作に繋がりますように。
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